はしりどころ (走野老) 

学名  Scopolia japonica
日本名  ハシリドコロ
科名(日本名)  ナス科
  日本語別名  ユキワリソウ、サワナス、オメキグサ
漢名  日本歐莨菪(ニホンオウロウトウ,rìbĕn ōulàngdàng)
科名(漢名)  茄(カ,qié)科
  漢語別名  東莨菪(トウロウトウ,dōnglàngdàng)
英名  
2006/05/04 桧原都民の森


2006/04/16 薬用植物園 

 ハシリドコロ属 Scopolia(歐莨菪 ōulàngdàng 屬)には、歐洲・カフカスと東アジアに2-3(-30)種がある。

  S. carniolica
イタリア・バルカン・東歐・カフカス産
  S. caucasica
カフカス産
  ハシリドコロ
(キバナハシリドコロ) S. japonica(S.parviflora, S.lutescens;
         日本歐莨菪・東莨菪)
   
 ナス科 Solanaceae(茄 qié 科)については、ナス科を見よ。
 根はオニドコロに似るが、「有毒植物ノ一ニシテ其地下莖ヲ食ヘバ狂奔ス、故ニ此和名アリ」(『牧野日本植物図鑑』)。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』13(1806)莨菪に、「オニシルグサ延喜式 オホミルグサ和名鈔 ヲメキグサ ホメキグサ ヤマサ ナゝツ桔梗江戸 ハシリドコロ肥後」と。
 漢名を莨菪(ロウトウ,làngdàng)というものはヒヨス Hyoscyamus niger(天仙子)。 
 属名 Scopolia は、オーストリアの学者スコポリ Johann Scopoli(1723-1788)に因む。
 本州・四国・九州・朝鮮半島に分布。遼寧・吉林・黑龍江では栽培。
 地下茎に猛毒がある。
 1826年シーボルト Siebold(1796-1866)が 散瞳薬として本種を見出した。1887年含有成分が特定され、爾来ベラドンナ Atropa belladonna(顚茄)の日本産代用品とする。
 日本では、生薬ロートコンは ハシリドコロの根茎及び根である(第十八改正日本薬局方)。鎮痛薬・目薬として用い、またロートエキスやアトロピンの原料とする。 

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